ケーキ屋・洋菓子店の内装工事に必要なこと

ケーキ屋・洋菓子店を新規オープンさせるには物件を確保しなければなりません。しかし、物件を選ぶ前に、店のコンセプトをはっきりさせておかなければなりません。ケーキや洋菓子は、スーパーやコンビニでも販売されているので、ビジネスは激しい競争の中にあります。そのため、よい商品を作るのはもちろんのこと、出店地域の客層分析、ライバルの動向チェック、そして魅力的な内装作りも店を差別化する決め手になるでしょう。この記事では、ケーキ屋・洋菓子店の内装工事について詳しくご説明します。

スケルトン物件と居抜き物件

店舗向けの物件には、内装がおこなわれていない「スケルトン物件」と、内装や厨房施設などが残った状態の「居抜き物件」があります。一般的には居抜き物件のほうが、開店に向けてお金がかからないとされていますが、あまりにもイメージに合わない内装の居抜き物件を借りてしまうと、結局は内装工事にお金がかかってしまうなどの問題が発生する場合があります。

ケーキ屋・洋菓子店の内装工事完成までの流れ

ケーキ屋・洋菓子店の内装工事の流れをかんたんにチェックしておきましょう。

・コンセプトをはっきりさせて、そこから内装のイメージを導き出す
・内装イメージを基に店のレイアウトを図面にする
・業者に見積もりを頼む
・正式な図面、工事内容や見積金額のチェック
・保健所に開店前の事前相談
・着工
・最終チェック
・完成

内装工事の完成までは、だいたいこのような流れになります。

ケーキ屋・洋菓子店をオープンするには「菓子製造業許可」が必要なので、この条件を満たすため、内装工事を始める前に、保健所に相談することが重要です。ケーキ屋・洋菓子店向けの基準が定められているため、たとえば、実際におこなうサービスとは異なる虚偽の届出をすると、後々問題になることがあります。
そのため、事前に保健所としっかり話し合い、どのような設備が必要なのか確認してから内装工事にとりかかります。たとえば、イートインスペースを設ける場合は菓子製造業許可のほかに「飲食店営業許可」が必要になるため、保健所にしっかり伝えておかなければなりません。

内装工事の作業内容

ケーキ屋・洋菓子店の内装工事の作業内容についてご紹介します。

デザイン

内装デザインは、ケーキ屋・洋菓子店を始める方が内装業者に店舗のイメージを伝え、そのデザイン案を実際に図面にする作業です。この作業をおこない、内装の設計図ができあがり、さらに両者でミーティングをおこなったあと、着工となります。

通常、内装のデザインは、内装業者や設計会社に依頼します。内装業者は施工も担当するため、内装業者にデザインも依頼したほうがスムーズです、

内装工事

内装工事には、什器の床や壁の工事のほか、什器の設置などが含まれます。しっかりした内装工事をおこなうことで、コンセプトどおりの魅力的な雰囲気を持つ内装に仕上げられます。

設備工事

内装工事とあわせてとても重要な工事が、この設備工事です。これは店内や厨房で使用する機器に合わせておこなう必要があります。電気、ガス、水道、空調などの設備が、容量オーバーにならずにしっかり使えるよう、設計しなければならないため、完全にプロの領域の仕事です。

物件によっては外装工事が必要な場合もあります。外装も、内装同様にコンセプトを表現しなければならない重要なパートです。店の前を通りかかった人が、雰囲気につられて入りたくなるような雰囲気作りが求められるので、やはり業者と相談して、コンセプトに合った外装を作り上げましょう。

ケーキ屋・洋菓子店の内装デザインで押さえるべきポイント

ケーキ屋・洋菓子店の内装工事を業者に依頼する際は、内装イメージを的確に業者に伝えなければなりません。伝える時点ではあくまでイメージであっても、完成時にはイメージしたものができあがっていなければならないため、できるだけ細かく伝え、打ち合わせを繰り返すことが大切です。以下に内装デザインで押さえるべきポイントをまとめたので、参考にしてください。

・客層を考慮した内装作り。「女性」「家族連れ」など、出店エリアのターゲットを意識
・外からもショーケースが見える作り
・ショーケースは入口正面に置く
・イートインは女性客を意識

ケーキや洋菓子は、おめでたい場やイベントと切っても切り離せません。そのため、おめでたいムードを内外装に含めつつデザインするとよいでしょう。業者との打ち合わせの当初は、なかなかイメージを伝えるのに苦労するかもしれませんが、業者もプロなので、細部に至るまで打ち合わせを重ね、納得のいく内装に仕上げましょう。

ケーキ屋・洋菓子店の内装工事の費用

目も舌も楽しませてくれるケーキは、内装をイメージどおりに仕上げると、さらに魅力的に人々を魅了してくれます。ケーキやスイーツの味はもちろんもっとも重要な要素ですが、それを盛り上げてくれるのが内装です。ただ、飲食店の内装は、こだわるほどに高くなっていくので、まずは内装工事にかかる一般的な費用について確認しておきましょう。

一般的には坪単価40万円

ケーキ屋・洋菓子店は、内装工事と厨房機器の導入で意外にお金がかかります。ケーキ屋・洋菓子店は製造と販売を同じスペースでおこないます。冷蔵庫や作業台、ミキサー、ショーケースなどが必要となり、お店の規模にもよりますが、内装工事には坪単価にして40万円程度はかかるでしょう。

こだわりを反映すると、どんどん単価も上がってしまうので、「できるところは自分で」という考え方は大切です。もちろん、資金が豊富に用意できるのであれば、その限りではありません。坪単価が50万円ともなると、20坪の店でも1000万円かかることになります。少しでも開業後の運転資金を増やそうと考えるのであれば、中古やリースの利用を検討しましょう。

出費を抑えるなら厨房機器は中古かリースで始める

厨房機器を新品でそろえるとなると、かなり大きな出費になります。そのため、この費用を抑制できれば、開店資金も大きく抑制できます。なるべく初期にかかる費用をセーブしておくと、開業後にその分だけ余裕が生まれることになるので、ぜひ検討してみましょう。
業務用の厨房機器は、家電よりも耐久性があるので、多少、古い程度なら、問題なく使えます。開業当初は少しがまんして、ビジネスが軌道に乗ったら新しいものに買い換えればよいのです。また、リースなら、マンスリーで支払いをおこなうことで新しい機器を使えます。

しかし、ここで重要なのは「店の雰囲気をこわしてしまうような出費の抑え方はしない」ということです。イメージを落とし込んで作り上げた内装が、機器への出費を抑えたことで台無しになってしまっては話になりません。業者と相談しながら、大切な部分への投資だけはしっかりおこなうことが大切です。

居抜き物件を活用することで、初期費用を抑えるという考え方もありますが、やはりすべてはバランスが大切です。内装が整っていても、設備工事が必要だと多額のお金が必要になります。そう考えると、スケルトン物件を最初から好みの形で仕上げたほうがよいかもしれません

あとは工夫です。さすがに設備工事をDIYでおこなうのは無理な話だとしても、ライトアップやディスプレイを工夫するだけならDIYでも十分に可能です。

内装工事の業者探しは比較サイトを利用

内装工事の業者探しは、比較サイトを利用すると便利です。比較サイトを利用すれば、条件に合いそうな業者をピックアップして一括見積もりを依頼することで、作業内容や見積もりを比較することができます。